思い込みによって成績が良くなることはあるのか?

思い込みで成績は上がりも下がりもする
誰もが勉強やスポーツなどに対して、まったく根拠のない思い込みを持っているのではないでしょうか? 例えば、
- お父さんはスポーツが苦手だから私もスポーツは苦手だ
- 不器用だから美術や工作には向いていないんだ
- ランダム化比較試験で使う偽薬(ただの砂糖)を薬だと信じて服用する
このように、思い込みによって成績や能力を下げてしまうこともあれば、逆に上げることだってできます。以下では「思い込みによってテストの結果に影響が出るのか」を調べた研究を紹介していきます。
さまざまな思い込みと年齢
人種による思い込み
「アジア人は数学が得意?[1]」みたいな研究がありまして、この研究ではアジア系人種を意識することによって成績に変化があるのかを調べています。この実験の参加者はアジア系アメリカ人で、彼らを以下の2グループに分け数学のテストを受けてもらいました。なお、学力が同等であることは確認済みです。
- 人種を意識させる質問を受けたあと、数学のテストを受ける
- 人種に関係のない質問を受けたあと、数学のテストを受ける
結果は、人種を意識させる質問を受けたグループの成績の方が高くなりました。これは、無意識的に「アジア系人種は数学が得意」という思い込みが働くためと考えられます。
性別による思い込み
同様に「女子は数学が苦手?[2]」みたいな研究がありまして、この研究では女子であることを意識することによって成績に変化があるのかを調べています。この実験の参加者はアジア系アメリカ人の女子学生で、彼女らを以下の3グループに分け、数学のテストを受けてもらいました。なお、学力が同等であることは確認済みです。
- 人種を意識させる質問を受けたあと、数学のテストを受ける
- 人種や性別に関係のない質問を受けたあと、数学のテストを受ける
- 性別を意識させる質問を受けたあと、数学のテストを受ける
結果は、人種を意識させる質問を受けたグループは成績が良くなる一方で、性別を意識させる質問を受けたグループの成績は悪くなりました。
何歳から思い込みの影響を受けるか
では、これら思い込みの影響は何歳から受けるのでしょうか? それを調べている研究[3]もあります。この研究の実験参加者は5~13歳のアジア系アメリカ人で、彼らを年齢ごとに以下の3グループに分けました。
- 5~7歳
- 8~10歳
- 11~13歳
このグループをさらに以下の2グループに分け、算数のテストを受けてもらいました。
- 人種を意識させる質問を受けたあと、算数のテストを受ける
- 人種に関係のない質問を受けたあと、算数のテストを受ける
この結果、人種を意識させる質問を受けた5~7歳と11~13歳のグループは思い込みの影響を受けてテストの点数が向上しました。しかし、8~10歳のグループではこの差は確認できませんでした。この理由ははっきりしていませんが、心の発達と関係している可能性があります。何れにせよ、これらの結果から小学生になる前から思い込みによる影響を受けるということが分かります。
思い込みを利用しよう
テストの成績は思い込みだけでも大きく変わるということが分かりました。良い思い込みであれば成績が上がるのに対し、悪い思い込みは成績が下がります。すなわち、「思い込みは全て良くないものだ!」という思い込みを捨てて、賢く利用するのが良さそうです。
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