3週間後に効果がなくなる!集中学習は記憶定着には非効率だ
投稿日:2018.12.14.
集中練習は効果的か?
あなたは学生のときに「明日のテストを何とかしなければ!」と、徹夜で勉強したことはありますか? その結果はどうでしたか?
実は、短期的に記憶する必要がある場合は集中学習(詰めこみ学習)の効果は高いということが分かっています。一方で、集中学習は長期的な記憶には結びつかないことも分かっています。それでは、どの程度の差があるのか実験の結果を確認してみましょう。
集中練習の長期的効果は低い
「通常学習と集中学習に差はあるのか?[1]」という研究がありまして、この研究では以下の6つのグループに分けて実験しています。なお、集中学習は通常学習の4倍勉強してもらっています。
- 通常学習( 5回練習)し、1週間後に試験を実施
- 通常学習( 5回練習)し、3週間後に試験を実施
- 通常学習( 5回練習)し、9週間後に試験を実施
- 集中学習(20回練習)し、1週間後に試験を実施
- 集中学習(20回練習)し、3週間後に試験を実施
- 集中学習(20回練習)し、9週間後に試験を実施
その結果は図1の通りです。すなわち、集中して勉強(詰めこみ学習)したときは短期的には2倍以上の効果が認められます。しかし、長期的に見ると通常学習とほとんど差が出ないことが分かりました。4倍の量の勉強をしたにもかかわらず、です。
[図1] 集中学習の効果
集中学習は使えないか?
この結果を見ると、長期的に記憶にとどめたいのであれば、集中学習ではなく科学で実証されている勉強法を使うべきでしょう。しかし、研究者も述べておいでですが、
学習戦略がある場合は集中学習も望ましい。集中学習は一時的な記憶に非常に有益であるため、旅行直前の外国語学習や、1日後に試験を受ける学生には有効であろう。
とのことで、短期的に記憶が必要なものに限って言えば、集中学習をすることによってコストパフォーマンスが良い場合もある、ということですね。
しかしながら、勉強の多くは長期記憶に結び付けることを目標としていると思いますので、集中学習ではなく科学的に最強の勉強法である検索練習や間隔練習を取り入れていきたいものですね。
こちらの記事も参考にしてみてください。