ガラクトオリゴ糖はダイエット&アンチエイジング効果に期待できそう
プレバイオティクスの重要性
腸内環境が悪いと、それだけで肥満の原因になってしまうことがあります。もしかすると、乳酸菌入りの飲みものやヨーグルトを食べているから大丈夫! という方がいるかもしれません。しかし、腸内には細菌が100~1000兆住んでいるのに対して、普通のヨーグルトに入っている細菌の数は、製品によって1~1000億と差があります。このため、良い細菌を取る(プロバイオティクス)だけではなく、良い細菌を増やすこと(プレバイオティクス)を考える必要があるのです。
プレバイオティクスというのは、良い細菌にエサを与えて増やしましょうという話で、エサの代表的なものにはイヌリンとかフラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖といった食物繊維があげられます。そのようななかで、面白い研究がありましたのでご紹介します。
ガラクトオリゴ糖の効果検証
「ガラクトオリゴ糖のダイエット効果と抗炎症性がすごい[1]」という内容のランダム化比較試験研究が2015年9月に出ていました。なお、ガラクトオリゴ糖は特定保健用食品にも認定されている、整腸作用のある食物繊維の一種です。
この実験では88人の男女を以下の4グループに分けて、ガラクトオリゴ糖のダイエット効果を調べています。
- 粉末のアメを飲む
- 1日 6g(3g×2回)ガラクトオリゴ糖を飲む
- 1日12g(6g×2回)ガラクトオリゴ糖を飲む
- 1日18g(9g×2回)ガラクトオリゴ糖を飲む
その結果、14日後には以下のような結果が得られました。
食欲抑制によるダイエット効果
図1の結果を見ると、ガラクトオリゴ糖の摂取量が多い人ほど食後の空腹感や食欲が減り、結果として自然とカロリー摂取量も減っています。我慢せずに空腹感を抑えることができるというのは、ダイエットをしている人にとっては素晴らしい効果ではないでしょうか?
[図1] ガラクトオリゴ糖と空腹感等の関係性
体内の炎症レベル(C反応性タンパク)低下
さらに、ガラクトオリゴ糖を摂取した参加者は、図2のように毒素(リポ多糖)が減っていて、体内の炎症レベル(C反応性タンパク)も低下したという結果がでています。炎症レベルが高いとどうなるかというと、慢性的な怠さが出てきたり、老化に繋がったりするものなんですね。この炎症レベルが下がるってことは、ガラクトオリゴ糖はアンチエイジングにも効果が期待できそうということです。
図2 リポ多糖(内毒素)
ガラクトオリゴ糖のダイエット&アンチエイジング効果
この実験から分かったガラクトオリゴ糖の効果は以下の2つでした。
- 食後の空腹感や食欲が減り、自然とカロリー摂取量が減ることでダイエット効果を期待できる
- 体内の炎症レベル(C反応タンパク)が低下することでアンチエイジング効果に期待できる
ガラクトオリゴ糖がアンチエイジングの効果をもたらすのは以下の影響でしょう。
- 善玉菌(ビフィズス菌と乳酸菌)を増やすことによる免疫系の向上
- 細菌が短鎖脂肪酸を分泌することによって炎症が低減すること
何より体内の炎症レベルを下げてくれるので、継続してガラクトオリゴ糖を摂取するのはありかもしれないですね。
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