ビタミンB群サプリメントは心疾患と発がんリスクを高める
ビタミンB群の効果
ビタミンB群にはビタミンB1、B2、B6、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンなどがあります。ビタミンB群はエネルギーの供給や老廃物の代謝に関係しているため、不規則な生活の人や美容に良いと言われています。しかし、実際にはビタミンB群サプリメントのメリットは確認できず、逆に副作用があることが分かっているのです。
ビタミンB群サプリメントの効果
アメリカの心臓協会が「具体的に健康的な食事をとるにはどうしたらよいか?[1]」について過去の大量の論文をレビューしています。
ここからビタミンBに関係する結論を抜き出しますと、
- ビタミンB群が心疾患リスクを軽減するという証拠はない
- ビタミンB群を摂取すると血中のホモシステインの量を増やす
ということでした。ホモシステインというのは、タンパク質に含まれる必須アミノ酸(メチオニン)が代謝されるときにできる残りカスのようなもので、このホモシステインの量が増えるほど心疾患にかかりやすくなってしまうことが分かっています。つまり、ビタミンB群を摂取すると心疾患になるリスクが上がってしまうということです。
さらに「ビタミンB群を10年間摂取し続けたらどうなるか?[2]」を調べた研究がありまして、結果を簡単に抜き出しますと
- ビタミンB6、B12、葉酸は女性の肺がんリスクとは関係していない
- ビタミンB6、B12、葉酸は男性の肺がんリスクを30~40%上げる
- 特に喫煙する男性がビタミンB群を摂取すると、肺がんリスクはより高くなった
とのことでした。この結果に関して研究者曰く、
男女間でタバコ誘発性のがんに対する影響に違いがある。ビタミンB群の摂取は細胞増殖を促すため、特に喫煙男性の変異した細胞での発がんを促進する可能性がある。
とのこと。つまり、ビタミンB群を摂取すると悪い細胞が増えやすい環境になるということでしょう。なお、この実験で使われているビタミンB群の量は、ビタミンB6が1日20mg以上、ビタミンB12が1日55mcg以上でした。これは、一般的なビタミンB群サプリメントを摂取すると簡単に超えてしまう量です。
ビタミンB群サプリメントは買う価値なし
ビタミンB群自体はエネルギーの供給や老廃物の代謝に関係しているため必要なビタミンです。しかし、ビタミンB群のサプリメントを使って必要以上に摂取してしまうと、心疾患やがんのリスクを上げてしまうことが分かりました。
これらからビタミンB群はサプリメントからではなく自然食品から摂取するようにしましょう。わざわざお金を出して病気のリスクを高めるサプリメントを購入する意味は全くありません。
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