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ビタミンEサプリメントは効果がない。むしろ心疾患や死亡率を少し高める

投稿日:2019.2.21.

ビタミンEの効果

ビタミンEは抗酸化物質としての働きがあります。抗酸化物質は、正常な細胞を攻撃してしまうフリーラジカルを分解することで、アンチエイジング効果を発揮します。このため、ビタミンEサプリメントもアンチエイジング効果や血液サラサラ効果を謳っているようです。

ビタミンEサプリメントを摂取することで、本当にこのような効果が見込めるのでしょうか? 実際には、これらの効果は見込めず、むしろ心疾患の発症率や死亡率を少し増加させてしまうデメリットがあることが分かっています。

ビタミンEサプリメントの効果

まず、ビタミンEサプリメントの効果を検証した研究結果は以下の通りでした。

  • ビタミンEを400IU/日摂取すると死亡率が少し上昇した[1]
  • ビタミンEを400IU/日摂取すると心疾患の発症率が増加した[2]

つまり、ビタミンEサプリメントを摂取してもメリットは見込めず、逆にデメリットが増えるという結果でした。他にも「効果がなかった」という報告など、全体的に微妙な結果が多い印象です。

次に、ビタミンEの抗酸化作用、すなわちアンチエイジング効果について検証した研究を見てみましょう。結果は以下の通りでした。

  • 男女35人中、高コレステロールの人だけ体内の酸化レベルが減少した[3]
  • 肥満の男女55人では、体内の酸化レベルが減少した[4]

どちらも「体内の酸化レベルが減少した」という結果なのですが、それには条件がありました。すなわち、一般的な体型の人ではなく、肥満の人など普段から酸化レベルが高い場合にのみ効果が見込めるようなのです。

一般的な体型の人が抗酸化作用を期待してビタミンEサプリメントを摂取するのは意味がなさそう。

最後に、ビタミンEで血液がサラサラになるのか確認してみました。血液に関しては「効果がある」と主張する論文が多数ある一方で、「効果がない」と主張する論文も多数ありました。おそらく、ビタミンEとは別のところに要因がありそうです。

ビタミンEサプリメントは買う価値なし

ビタミンEサプリメントの実験では、どの項目を見ても目立って良い効果は見込めないようです。そもそもビタミンEの推奨量は15mg/日なので、食生活に偏りがなければ通常の食事で十分補える量です。このため、わざわざリスクを冒してまでビタミンEサプリメントを買う意味はないでしょう。



こちらの記事も参考にしてみてください。

About
植木都顕
(Ueki, Kunitaka)

システム開発会社(株)ロワのアトリエ代表取締役
早稲田卒(副総代)。稲門会副会長、研究会副幹事長
1.技術屋。知性構造に興味を持ち人工知能を研究
2.読書家。書籍・論文あわせて年間3,000冊以上
3.効率主義。論文抽出に独自ツールの使用など
最近の目標は海外の大学院で勉強すること
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